ふむ、 tmux の話をしましょう
普通にシェルを使うと、シェルはターミナルにぶら下がって存在することになるわけですが、ウィンドウというのは本来表示単位なのであって、これがセッション (作業の意味単位やプロジェクト単位) として機能したりその寿命として機能したりするのは不自然というか、「 window が必要以上に意味を持ちすぎ」となるわけです (既に同意してもらえなそう)
で、表示領域と意味単位や寿命を分離してやろうぞという話になるわけですね。
tmux の管理単位としては、まずサーバプロセスがあり、サーバプロセスが複数のセッションを管理し、セッションに複数の window があり、 window に複数の pane があります。
サーバプロセスは普通ひとつで、必要なとき自動的に立ち上がり、不要になれば自動で消えます。
セッションはユーザが作るもので、同じ目的でまとめたいプロセス群を突っ込むものです。プロジェクト単位とか。
window は「表に出ている画面」で、言ってみればタブ型の仮想ターミナルのタブ相当。
で、 pane は window を分割した単位で、単一の window 内に複数の pane を同時に表示したり、ひとつの pane を一時的に全画面にしたりできます。
pane や window は同じセッション内なら移動したりレイアウトを変更できます。
Tiling WM に喩えるなら、ターミナルがモニタ、 window が workspace 、 pane がウィンドウに相当します
で、何かというと、 window manager 的な「ウィンドウ」は、 tmux サーバ上の (切り替え可能な) セッションに接続してひとつの (切り替え可能な) window を表示するクライアントとして機能していて、単純に「覗き窓」なんですね。つまり、覗き窓の寿命とセッション (やそれに属するプロセス群) の寿命は切り離されている
すると、たとえば複数プロジェクトを同時に弄っていて複数セッション用意してあったとして、「今はこっちのセッション要らないから非表示にしとこう」などと思ったとき、 tmux を使っていればデタッチするだけでいいわけです。
ここで tmux でなくターミナルのタブを使っていると、ウィンドウを最小化したり別ワークスペースに避難させたりするけど、消してしまうことはできない
個人的な感覚で言ってしまうなら「シェルやプロセスを適切な構造で階層化して管理できる」ことと「レイアウトを割と柔軟に管理できる」ところが tmux の良さで、 つまりデスクトップにウィンドウが散乱しているのを気持ち悪く感じる人ほど tmux の有り難みを感じられるのではと思っているんだけど、これは個人の感想なので事実がどうかは知らん