NFT 、「所有権を持っているという木札」の偽造を認めない (より正確には、コピーし所有者情報を改変したものを真正と認めない) 合意形成に基づく汎用プラットフォームを作ったものだという認識なので、正直めちゃくちゃどうでもいい。
いわゆる著作権まわりを気にするクリエイターが本当に気にしているの、「データの閲覧を制限したいが複製と再頒布のせいで閲覧を制限できない」場合と「データの著作者であることを主張したいが証明が難しい」場合の2通り (あるいはその両方) だと思うんだけど、前者は DRM 、後者は電子署名と web archive によってそれぞれ解決可能。
なんなら商業プラットフォーム使うと同時に解決できるので (そして両方を非商業非営利で両立させたい場合は少ないので) 既存の技術で事足りる。
そもそも NFT は独自のプラットフォームであるから利用者のがその意味論に合意する必要がある (つまり木札が所有権の明示的な記号化であることに合意する必要がある) んだけど、従来の技術なら著作権 (人権) と法律というプラットフォームがベースなので、信頼性なんて比べるまでもないわね
なんなら著作権まわりのプラットフォームは条約による国際的な協調もできているし。
え、フェアユース? #文化庁はフェアユースを認めろJP
まあ結局何なのかというと、 NFT にせよ暗号通貨にせよ「現実世界で既に合意され法により実装された社会機構を、完全にネットワーク通信のみにより実現を試みるもの」であって、しかし法と違って大多数の利害関係者の同意があるわけでもなく、国家ほどの信用があるわけでもなく、各国の既存の法と矛盾しないよう調整されているわけでもない。
端的に言えば、実験としては面白いけど社会に組み込むにはまだ玩具レベル。
それこそ「国家や政府が信用できなくて一部の人々が利用者同士自身の合意のみに基いて同様のシステムを利用したい」という場合くらいにしか実用する場面がない。
反政府な人々か政府が崩壊したり独裁してるような地域の人々でもないとメリットないんじゃないですか。