革新的な技術を期待する立場からすればVTuberの現状は面白いものではないと思うし、私自身は大勢を追う気力がないのでごく少数しかチェックしていないけれど、表現する場の選択肢が増えたことに価値を感じています。
「顔出し」をしないVTuberという選択肢があったからこそ花譜の両親が活動を認めた( https://twitter.com/kaf_info/status/1138008008854605824 で言及されている)というのは私がアバター技術の普及とアバターで人前に出て見てもらえる空気に期待することが実際に起きた一例
そういう意味では、音声の「別人化」だとか、あるいは3Dモデルに動きを「拾わせすぎない」技術というのはまだまだ進歩の余地が大きいと思っています。たとえば、アイトラッキングの情報はデバイス装着者の性別や年齢を含む様々な属性を推定するのに十分なものだと考えられていて、表現力とプライバシーのバランスを取るための研究が続いています。
“What Does Your Gaze Reveal About You? On the Privacy Implications of Eye Tracking” https://doi.org/10.1007/978-3-030-42504-3_15 の概要から一部抜粋すると、
“Our analysis of the literature shows that eye tracking data may implicitly contain information about a user’s biometric identity, gender, age, ethnicity, body weight, personality traits, drug consumption habits, emotional state, skills and abilities, fears, interests, and sexual preferences.”
もちろん、これらすべてが実際に容易に引き出せるとは限らないのですが