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北とは何なのかという話、「文明を共有しない宇宙人に『右』をどう伝えるか」に通じるものがあるけど、ここで自発的対称性の破れが活用できます (オタクトーク)

物理現象って基本的に時間とか空間とか電荷とかをパラメータとして数式で記述できるじゃないですか。
で、電荷や磁荷の反転と、鏡像反転と、時間の反転のうち2つを同時に行っても代わらず法則が成り立っているように見えるんですよ。

たとえば「時間が進むと+2の電荷が右へ動く」ように見える現象を「時間が _戻ると_ +2の電荷が _左_ へ動く」と表現しても「時間が進むと _-2_ の電荷が _右_ へ動く」と表現しても同じように見える。

CPT対称性 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/CPT%E5%A

ja.wikipedia.orgCPT対称性 - Wikipedia
らりお・ザ・何らかの🈗然㊌ソムリエ

だから何なのかというと、「我々が『右』と『左』の概念を入れ替えることにした場合、『過去』と『未来』を入れ替えることで、教科書の他の部分には一切の変更をせずに済みます。

あるいは、『過去』と『未来』はそのままにして『正の電荷』と『負の電荷』および『Nの磁荷』と『Sの磁荷』みたいな組を入れ替えても良い。

つまり CPT 対称性が成り立つ世界では、過去とか未来とか右とかN極とか正の電荷とかは、「そう決めたからそうなっているだけで、別の文明が同じように決める保証がない」ということ。
あるいは、我々の物理法則の記述を宇宙人が発見したとき、「右」がどちらの方向かを知る術がない。

ところが、対称性の破れというのは、このような対称性が実はこの世界では厳密には成り立っていないということで、これが示されたというのは超ビックリ案件なわけですよ。

たとえばパリティ対称性の破れを利用すると、「ウーの実験で、ソレノイドコイルに流した電流の進行方向と、ベータ崩壊による電子がより多く放出された方向とが一致するとき、電子がより多く放出された方向に向かって発生している側をS極とする」という形で、磁力のS極とN極を定義できる。
ここから、電荷の正負、空間の上下左右前後 (つまり右手系と左手系) も決定できる。

少なくとも、我々が今生きている宇宙では。

パリティ対称性の破れ - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9

ウーの実験 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A

検証作業を振り返って 9  「パリティ対称性の破れ」 - ウーの実験をエネルギー体理論の思考実験により検証 : エネルギー体理論 (素粒子から宇宙の構造までを司る公理の発見とその検証)
energybody.exblog.jp/27823827/

ja.wikipedia.orgパリティ対称性の破れ - Wikipedia

つまり端的に言えば、「人間の常識や人体に関する知識が全くないが科学知識のある宇宙人に、言葉だけでどのように『右』という概念を伝えるか」という問題への堪えは、
「ウーの実験 ( ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A ) を行ってもらい、この結果によって磁力のS極を定めることができ、これと電子が負の電荷であることを合わせて右手系と左手系を (図や物質を見せることなく) 正しく共有できる」
というのがひとつの答えになる

ja.wikipedia.orgウーの実験 - Wikipedia

「我々が今生きている宇宙では」と言ったのは、これが「電子が負の電荷を持っている」という前提を利用しているからで、もっと言えば「この宇宙が反物質ではなく我々を構成する物質からなっている」という前提を共有しているから。

もし相手が (我々から見て) 反物質でできている宇宙の人々の可能性があったら、もっと更に別の対称性の破れか何かを使わないと右を伝えられないんじゃないかな。
私はその辺りは全然わからないけど。

……と、ここまで書いたのは私の極めて雑な知識によるものなので、あまり信用しないでほしい (物理のプロに解説してほしさある)。

まあ万が一科学文明の発展した宇宙人と情報通信のみで対話する機会があったら使える知識程度のお気持ちで読んでね