「悪い」みたいな言葉の多義性をちゃんと分解すべき
悪意の出どころとしての「悪い」、失敗の責任を担う立場としての「悪い」、事故や事件の契機としての「悪い」、いろいろある
施錠を忘れて空き巣や車上荒らしの被害に遭ったとき、悪意の出どころは泥棒だが、被害の責任を追っているのは施錠を忘れた人だし、起こさず済んだ事件の契機を用意したのも施錠を忘れた人。
「悪意の出どころでない」のつもりで狭義に「被害者は “悪くない”」というのも間違いではないが、広義には “悪い”。
狭義には “悪くない” から悪くない! と言葉だけ取り繕ったところで、被害に責任の一端があって、起こさず済んだはずのことを引き起こしたという事実には変わりがない
どこまで責め立てられるべきかというのは文脈次第なので完全に個別ケースの判断だけど、とにかく「悪い」とかそういう言葉の多義性を自覚して雑な括りで考えるのをやめましょうという話です